箸(はし)の持ち方と使い方|箸のマナーとNGとは?
日本人である限り、箸を使って食事をすることは当然の行為ですね。
日本料理は、箸があればすべての料理を食べられるように調理されています。
そのため、箸を正しく使うことができているかは重要なポイントです。
近年では、食事の欧米化に伴い、箸の使い方がさほど重要視されていません。
子どもに箸の正しい持ち方を教えることはあっても、正しい使い方や作法となると大人でさえ知らない方も大勢います。
これは世の中の大人が悪いわけでなく、日本における食文化そのものの縮図でしょう。
しかし、今や欧米でも日本食が注目され、外国人でさえも箸を使える方が増えています。
日本人である我々も改めて日本の食文化を理解し、箸の使い方やマナーを見直してみませんか?
これは自分のためだけでなく、周りの方を不快にすることなく食事を楽しむうえでとても大切なことなのです。
箸の正しい持ち方
箸を正しく持つことは、見た目の美しさはもちろん、箸を使いやすく格段に料理を食べやすくしてくれます。
箸の持ち方に癖がついてしまうと、なかなか直しずらいものです。
それでも箸の持ち方を正しく直すことは、多少苦労してもそれ以上に十分意味のあることです。
成人してしまった皆さんでも「もう遅い!」ということはありません。
箸を正しく使うことは、社会に出て取引先と会食をしたり、大切な人と食事をしたりと、むしろここからが重要です!
箸の使い方は何歳になってからでも直すことはできますから、あきらめずにチャレンジしてみてくださいね。
◆箸の正しい持ち方
①まずは1本、親指の付け根から薬指の第一関節くらいに渡すように乗せ、親指で固定します。
このとき箸は、真ん中より少し上を持ちましょう。
②2本目はペンを握るような要領で、人差し指と中指の先ではさみ親指を添え固定します。
③箸を動かす際は、下の箸は固定したまま。
上の箸だけを3本の指で動かし食べ物をはさみます。
箸の取り方・置き方
①右手で上から箸を取り上げます。
②左手で箸を下から受けます。
③右手を箸にそって右に滑らせ下に回します。
④左手を離し、右手で箸を正しく持ちます。
※箸を置くときは、この逆です。
左手で受け、右手を滑らせ上に回しておきます。
◆割り箸の割り方
割り箸は箸袋から出したら、箸袋はお膳の左端に縦に置きます。
箸は膝(ひざ)の上あたりまでおろし、横に寝かせて上下に引いて割ります。
(割り箸が食器に当たって割れるのを避けるため、御膳の上では割りません)
箸の木クズを擦り落とす行為はNGです。
◆箸は必ず箸置きに!
箸をテーブルやお膳にじかに置くのはタブーです。
また、皿や椀など器の上に置く「渡し箸」もNGです。
箸は必ず箸置きに置きましょう。
箸置きがない場合は、箸袋を折って代用するといいでしょう。
箸の使い方のNG
箸の使い方のルール違反を「嫌い箸」といいます。
マナー違反だったり縁起が悪かったり、周りの方が不快な思いをしないよう注意したいものですね。
ここからは、箸の使い方のNGを紹介していきますね。
- 刺し箸(突き箸)…食べ物を箸で突き刺す。
- 探り箸…好きな食べ物を探して料理をより分ける。
- ねぶり箸…箸を舐める。箸を吸う。
- もぎ箸…端についた食べ物を口で取る。
- 迷い箸…料理を一度取りかけて止め、別の料理を取る。
- 寄せ箸…端を使ってお皿や御椀を手前に引き寄せる。
- 涙箸…汁気の多い料理の場合、汁を垂らしながら食べる。
- 渡し箸…箸を器の上に渡して乗せる。
- 持ち箸…箸を持った手で器を取る。
- あげ箸…箸を口より上にあげる。
- 振り上げ箸…箸をもったまま手振りを加えて会話をする。
- 指し箸…箸で人のことを指さす。
- 空箸…料理に箸をつけ食べずに箸を置く。
- こみ箸…箸で無理矢理食べ物を口に押し込む。
- 押し付け箸…食べる前に箸でご飯を押し付けて固める。
- 移り箸…一度箸をつけた料理を食べずに、次の料理へ移る。
- かき箸…器に直接口をつけ、箸で料理をかきこむ。
- ちぎり箸…箸を両手に1本ずつ持ち料理を刻む。
- 立て箸(突き立て箸)…箸を墓前の枕飯の様にご飯に突き刺す。
- 回し箸…箸で汁物料理などを何度もかき回す。
まとめ
普段あたりまえのように使っている箸ですが、以外にもタブーやマナー違反がたくさんあることに驚きます。
少し神経質なNGもありますけどね^^;
大切なのは一緒に食事をしている方に不快な思いをさせないということです。
和食をいただく上で、箸の使い方はマナーの基本となります。
あらためて箸の使い方を見直し習得することで、楽しい食事が自然にできるようにしたいものですね。