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松花堂弁当の由来とは?

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私どもを含め、懐石料理店や日本料理店では、
ランチタイムのメニューに「松花堂弁当」を設定しているお店が多く見られます。

今回はその「松花堂弁当」についての豆知識をご紹介しますね。

この記事では、そもそも松花堂弁当はどのようなお料理なのか?
意外と知らない松花堂弁当の由来や歴史などを紹介していきたいと思います。

 

◆そもそも松花堂弁当って何?◆

松花堂弁当(しょうかどうべんとう)は、中に十字の仕切りがある「松花堂」という弁当箱を用いたお料理のことです。
松花堂は縁高い箱で、かぶせ蓋があります。

仕切りの中にはそれぞれ、刺身・煮物・焼物・ご飯などが、見栄えよく上品に盛り付けらます。

 

◆「松花堂弁当」と「幕の内弁当」の違いとは?◆

仕切りのある入れ物に、ご飯と数種類のおかずを組み合わせて盛り付けられているものに「幕の内弁当」があります。
この二つ、盛り分様式としては似ているため、しばしば混同されていることがあります。

ですが、「幕の内弁当」はもともと、芝居と芝居の間の場面転換の時間にあたる「幕間(まくあい)」に、食べられるように作られたものです。
武家の儀礼的な食事である“本膳料理”の流れを汲み、その歴史は江戸時代までさかのぼります。

ご飯が俵型をしているのは、どこでもすぐに食べられるようにするためであり、弁当箱を持って食べられるよう揚げ物や焼物、練り物などといった、汁気が少ないおかずがメインです。

 

一方、「松花堂弁当」の歴史は実はそれほど古くありません。
懐石料理のの流れを汲んだ松花堂弁当は、昭和に入ってから誕生したものです。

また、仕切りを使って見栄えよくきれいに盛り付けられており、お吸い物やご飯を温かい状態で食べることができます。

 

このように「松花堂弁当」と「幕の内弁当」は、歴史的背景も誕生した目的も大きく異なります。

 

◆松花堂弁当の由来◆

十字に仕切られた器・・・。
今では「松花堂」と呼ばれるこの器は、もともと農家の種入れでした。

江戸時代初期、書家であり画家ある石清水八幡宮の社僧・松花堂昭乗(1582~1639)が、この箱を絵具箱や薬箱、煙草盆などにして愛用していたと伝えられています。

松花堂昭乗は、当時京都と大阪の中間にあった石清水八幡宮・滝本坊の住持で、寛永の三筆(近衛信伊・本阿弥光悦・松花堂昭乗)の一人とされ、書画や茶の湯 に優れていました。

しかし、この箱が「松花堂」と呼ばれ、お料理が盛られる器となったのは、昭乗が没してから300年近くの歳月が過ぎてからのことでした。

 

昭和8年(1933年)、日本屈指の名料亭「吉兆」の創始者である湯木貞一が、貴志彌右衛門の大阪(桜宮)邸内の茶室「松花堂」での茶会に出向いたときのこと。

ある部屋の片隅に置いてあった、高さが3,5cmほどの四角い箱を見つけます。。
その茶色い箱には3ヶ所に墨絵 が描かれ、四方には金具が取り付けられており、さらに箱の中は十字で仕切られていました。

当時も種子や薬入れ、煙草盆に使われていたこの箱を、湯木貞一は「料理の器としたらどうか」と考え、その1つを譲り受け持ち帰ってきたのだそうです。

(一説には、彌右衛門が湯木貞一に、この器で茶懐石の弁当をつくるように命じたのがはじまりであるとされるものもあります。(昭和8年「西田幾多郎日記」 太田喜二郎「絵茶會記」より)。)

その後湯木は、料亭で出せる料理の器にするため工夫を重ね、現在知られる松花堂弁当の形になりました。

この松花堂弁当は、<吉兆前菜>として毎日新聞で取り上げたことで話題となり、広く松花堂弁当の名が広まったと言われています。

 

◆湯木美術館◆

1987年(昭和62年)に開館した湯木美術館には、名料亭「吉兆」の創始者である湯木貞一(ゆきていいち)氏が、生前収集した茶道具や美術工芸品が収蔵・展示されています。

【公益財団法人 湯木美術館】

  • 住所:〒541-0046
    大阪府大阪市中央区平野町3-3-9
  • 開館時間:午前10時~午後4時30分
    (入館は午後4時まで)
  • 休館日:毎週月曜日、1月15日(火)
    (ただし1月14日(月・祝)は開館)
  • 入館料:一般700円/大学生400円/高校生300円
    (一般のみ、20名以上の団体は100円引き)
  • 問い合わせ先
    TEL: 06-6203-0188
    FAX: 06-6203-1080
  • 公式サイトhttp://www.yuki-museum.or.jp/

 

◆まとめ◆

「松花堂弁当」・・・
名前は聞いたことがあるものの、その歴史や目的などはあまり知られていません。
(とはいえ、実は昭和に入ってから登場したというのは意外な気もしますね。)

お弁当と言いながらも、実は名料亭で生まれたお料理です。
松花堂弁当を召し上がる際には、ちょっとだけ思い出して和食の奥深さを味わってみてくださいね。

 

◆光彩苑からのお知らせ◆

光彩苑ではランチタイムに、松花堂弁当をご用意いたしております。
ご予約・お問い合わせの上、ご来店をお待ちしております。

 

詳細ページ☞お昼のお献立

ご予約・お問い合わせ

 

 

 

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